ABAゆるっとABAワークシート集

ABAホームセラピー セルフチェックシート

ABA

お子さんに毎日ご家庭でABAセラピーを行っているといつの間にか自己流に…と言うことが起こりがちです。

今日は以前私が作ったセルフチェックシートをご紹介します。

セラピーをする上で気を付けることは?

ABAホームセラピーを行う上で気を付けなければいけないことは何でしょう?

やる気?雰囲気?いろいろあるかもしれませんが、今回は大きく分けて5つに絞りました。

  • 指示の出し方
  • プロンプトの仕方
  • 強化の仕方
  • 誤反応・無反応の時の対処の仕方
  • その他

指示の出し方

お子さんにいかにわかりやすく指示を出すかと言うのはセラピーの成功のカギの一つと言えます。長すぎる言葉ではお子さんの耳に残りません。みなさんだって、知らない言葉で何か聞かれたときに、長い言葉よりも短い言葉のほうが理解しやすいと思いませんか?

また、お子さんの注意を引こうと頑張るあまりお子さんの名前を連呼している姿をよく見かけますが、呼びすぎは効果的ではありません。何度も呼ぶ、つまりなんども無視されているわけですよね。それでではお子さんに名前が聞こえてもある程度無視してもいいよ、と言うことを教えていることになりかねません。セラピー中はなるべくお名前は呼ばないで、指示も同様、何度も繰り返せば繰り返すほど、無視していいよ、と教えてしまうわけです。繰り返さない、と言うのは大切なファクターです。

また、指示の出し方にクセはありませんか?言い方や目線、教材の位置などが無意識のうちにニュートラルではなくちょっと正解のカードをお子さんに近づけているということはありませんか?正解のほうを見ながら指示を出したりしていないでしょうか?それを意識的にプロンプトとして行っているのであれば問題はありません。けれど、無意識にしてしまっていた!というのではいけませんね。

プロンプトの仕方

プロンプトの出し方が、ABAセラピーを行う上では一番の肝となると思います。日常でお子さんに何か教える時の手助けの仕方と、ABAのセラピーでプロンプトをして正解させる段取りは、似ているようでかなり違うからです。まず、お子さんが出来なかったら手助けをするのではなく、指示の直後にプロンプトすることが重要です。まず、最初にやってみて、できたら強化、できなければ手助け、ではありません。

出来たら強化、できなければ指示からやり直しです。そして、二回目の指示の時には必ずプロンプトを指示の直後に行い、確実に正解させることが大切です。そうやって、指示の直後にプロンプトをしながら成功して終わりではなく、次にはそのプロンプトを徐々に減らしていかなければいけません。これらが効果的にできているかと言うのはとても重要です。

強化の仕方

強化無くして学習なし、と言われるように、強化は非常に大切なことです。強化とは、行動の後に本人にとってほうびとなる刺激を提示すること、つまりほめたりお子さんにとってうれしいこと、モノが出現するということです。お子さんが正解してからしばらくもたもたして、ああごめんね、えっとね・・・と時間がたってから「はいどうぞ」とお菓子をもらえても、果たしてどうしてお菓子をもらえたのか結びつかないかもしれません。ほうび(強化子)は行動の直後、が鉄則です。また、それが果たして本人にとってきちんとほうびになっているのか?と言うことも気を付けなければいけません。一か月前に使って喜んでいたからずっとこのおもちゃを使っています、ではお子さんだって飽きているでしょう。しっかりその日効く強化子を用意することが重要です。

そして、モノだけでなくほめ言葉にも気をつけましょう。ただ「いいね~!」と言えばいいというものではありません。しっかり感情をこめて、本気ですごいね!と思っているかと言うのは重要です。私はいつも子どもの行動をリスペクトするように心がけています。子どもだからってバカにしない。先生本気ですごいって思ってるよ!君ほんとにすごいよ!と言うのは伝わると思っています。(精神論みたいですけど)でも、そういうのって大事ですよねえ?

誤反応・無反応の時の対処の仕方

先ほども書きましたが、ABAセラピーで何かを教える際、ほかの教え方と大きく違うのは手助けをするタイミングと、間違えたときの対応です。間違えたときやしばらくお子さんが何も反応しない時には、手助けしたり、ほめたりせずに一旦試行を打ち切って再度やり直します。何度も指示を出しては失敗させ、また言い聞かせるけれどできず…という繰り返しはさせません。何度も言って、違う違う、と言うのではなく、プロンプトして正解させるのです。また、間違えたときには基本的には、お手付きはさせません。初めに間違ったものを触って、その後あ違った、と正解を触ってもそれはお手付きですから正解とはなりません。そのあたりの対応がきちんとしているか?セルフチェックしてみてください。

その他

・強化の後、次の試行まで短い間を空けているか
・課題・教材・教え方の工夫は適切か
・子どもの不適切な行動を強化せず、主導権を握れているか
・何がターゲット課題だったかが明確である

など、どれもディスクリートトライアルというABAセラピーの手法では欠かせない要素も入れておきました。

セルフチェックシート

↑がダウンロードできるチェックシートです。

お友達と一緒に使うもよし、夫婦で使うもよし、自分自身で評価する際に使うもよし。

参考になればうれしいです。

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