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【強化】とは?新しいスキルを教える時に必要な考え方を解説!

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ABAの基礎原理

ABAの基礎原理はスキナー博士が解明した三項随伴性をもとにした原理です。発達障害児は時に理解しずらい行動をとることがありますが、それでも実はこの基礎原理に当てはまる行動をしていることがわかっています。ABAの基礎原理。これらには大きく分けて三つあります。

  • 強化
  • 消去
  • 弱化(罰)



です。今日は行動が増える原理「強化」について解説します。

強化

人の何らかの行動の直後にその人にとってのほうびとなるような刺激、つまり「いいこと」があるとその行動は以後、増加します。これを強化と言います。ほうびとなる刺激のことを「強化子きょうかし」(好子こうし)といいます。

例えば、新しくできたベーカリーでパンを買ったところ、そのパンがとってもおいしかったので、それ以降そのお店の常連となったという出来事はありますよね。

この場合、「パンがおいしかった」ことがほうびとなりその後の「特定のパン屋に行く」行動が増えているため「強化」の原理が働いています。

別の例を挙げてみましょう。

学校で、Aちゃんの隣の席の友達が消しゴムを落としました。それを見たAちゃんは消しゴムを拾ってあげました。すると、お友達から笑顔で「ありがとう」とお礼を言われ、一連の出来事を見ていた先生からも「とても親切ですね」とほめられました。するとAちゃんはその後、隣の席の友達だけでなく、ほかの子が消しゴムを落としてもすかさず拾いに行くようになりました。

この場合は、「ありがとう」と言われたこと、そして大人からほめられたことが強化子となり、「消しゴムを拾う」行動が増えたと考えられます。

ある行動がその後頻度を増している場合、つまり繰り返されたり頻繁に行っている行動は、その行動をすることによって自分にとって良いことが起こるからなのです。



日常生活の行動は、様々なことが強化されています。

  • テレビのリモコンを押す
  • 自動改札機にスマホをかざして改札を通る
  • 冷蔵庫を開けて中のものを食べる
  • ジムに通ったらやせた

これらの行動はすべて結果によって引き起こされ、繰り返されているのです。

正の強化と負の強化

実はこの「強化」の原理は二種類あります。

  • 正の強化
  • 負の強化

です。これらの二つについて解説していきましょう。

正の強化

正の強化は先ほど解説したベーカリーの例や消しゴムを拾う例が「正の強化」です。

ABAセラピーで新しいスキルを教えていくときにはこの「正の強化」の原理を使って教えていきます。

ほうびは本人にとっての褒美ですから、「先生に注意されること」が先生に何も声をかけてもらえないことよりもうれしいことであれば、ぱっと見は嫌なことのように見えますが、そのお子さんにとってはほうびであるという場合もあります。ですから、行動が続いているときには、その行動の後を見て「もしかしたら注意しているつもりでやめなさい!って言っていたのがほうびになっていたのかも?」と考えてみるといいでしょう。

負の強化

負の強化は事前の状況ですでに嫌なことがあり、行動を起こした結果その嫌なことがなくなったというものです。

この負の強化は新しいスキルを教える時に積極的に取るべき手段ではありません。お子さんを不快な状況に置き、望ましい行動をしたらそこから解放する、という手段が適切ではないというのはすぐにお判りでしょう。「負」の強化、と言われると「え?行動が減ってるの?」と勘違いしてしまう方がいますが、「強化」と名前がついている限りは必ず行動は増えます。(ただ、直前にあった嫌なことがなくなるのです)

まとめ

新しいスキルを教える時に使う「強化」の原理は「正の強化」「負の強化」の二種類があります。

これらをしっかり区別して理解していきましょう。

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